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hinasoyo blog

働き方論から恋愛論まで。日々の雑感も含め、専門領域を超えて幅広く発言して行きます。

或る大学教授の合格体験記。時間をかけずに 「通訳案内士試験」に合格したい人へ!


 前回のブログでは主に一次試験のことを書いたので、今回は二次試験(口述試験)対策について書いてみたい。
 
 今年の一次は「惜敗」だと思い込み、一次合格のハガキが届いた時点で二次対策は皆無で、残された期間は3週間。本業も忙しくすでにスケジュールは満杯。実質的に二次対策に充てられる時間は数日だ。ど、ど、どうしよう?
 
 二次試験(口述試験)は、8分~10分。試験官はネイティブと日本人の2人で、こちらは1人。内容は、3つのパートからなる。①日本人試験官が数行程度の日本語を読み上げ、その内容を1分以内に英語で通訳する。②テーマが書かれたカードを3枚示され、30秒以内に1つを選んで英語で2分間のプレゼンテーションを行う。③上記②の内容についての質疑応答が数分間行われる。合格基準は、6割以上。アティテュード(態度・コミュニケーションする意志)という項目もある。
 
 まずは、一次でお世話になった「直前対策」と同じシリーズの『通訳案内士試験「英語一次・二次」直前対策』を手に入れて、CDも聞きながら、二次直前対策の部分を一通り読んだ。しかし、難しい。日英通訳の日本語が、そもそも分からない。「比類なき美しさの雪冠と完璧な円錐形」とか「池泉回遊式庭園」とか。こんなの英語どころか漢字も書けない。同時に、『日本的事象 英文説明 300選』も入手したが、こちらは「300」という分量に圧倒されて、ほとんど手が出なかった。
 
 すがる思いで、ネットを回遊する。今どきネットには本当にたくさんの情報が落ちていて、動画での模擬面接も少なからず見ることが出来る。そうこうしているうちに、僕には、自分自身の状況や能力と試験の内容からして取るべき作戦が「明白に」見えた。
 
 自分自身の状況や能力をまとめると、(A)米国生活や仕事上での英語のやり取りの経験を通して、完璧な英語では全くないが、自分が伝えたいことはだいたい伝えられる。(B)予備校に通うなどして勉強している人に比べて、「歴史的用語などの英語」は圧倒的に弱い。(C)限られた時間しかない。上記Bで触れた専門的英語を覚えている暇はない。(D)広告代理店時代を経て、臨機応変に話題を思いつくことは出来る。
 
 書籍や予備校で教えることは、「スタンダード」なやり方であり、さらに言うと「いったん100%を目指す」やり方のように思えた。半年から1年ほど、「熱血でひたすら覚えまくる」みたいなやり方だ。しかし、自分には、それは無理だ。
 
 そして、こと「通訳案内士の二次に通る」ことだけを考えれば、「難しい内容を正しく難しい英語で言えるように暗記しまくる」必要はないように思えた。だって、出来は6割でいいんだ。しかも、これは「通訳案内」「通訳ガイド」の試験だ。「暗記した英語を、思い出し思い出し、つっかえつっかえ話す」よりも、「まぁまぁの、悪くはない英語で、興味深く話す」方がいいのではないか?また、この試験は、「通訳ガイドを雇うための試験」ではなく、「通訳ガイドのスタートラインに立てる人を見極めるための試験」。完璧である必要は、全くないのではないか。
 
 そういったことを混ぜ合わせて僕が出した方針は、(1)新しい単語や表現は、基本覚えない。(2)最初の「日英通訳」は、読み上げられる日本語の内容を覚えきれないのでメモの必要がある。でもこの「メモ」が難しい。「英語か?漢字か?カタカナか?ひらがなか?どの程度正確に書くか?どの程度書いてあれば、内容を思い出しながら英訳できるのか?」について練習しておく。(3)プレゼンテーションのテーマは、3つのうちで最も「現代に近い」テーマを選ぶ。あるいは「現代に近づけて語れる」テーマを選ぶ。(4)全体として、自分が話せる得意な分野に持って行く。たとえそれが、苦肉の策だとしても、だ。
 
 (2)については、ネットにあった「模擬面接」で読み上げられる日本語を「メモ」することを、集中的に練習した。繰り返すうちに、どの程度のメモがあればまぁ何とか英語で説明できるのかが、だいたいつかめた。
 
 この方針が定まった時にすでに、「これは行けるかも」と、正直思った。多くの人が参考にするであろう書籍や予備校の教えが、結果として、「必死に暗記した内容をどうにかこうにか英語にする」受験者を大量生産するのであれば、自分は「最適な難しい英単語は使えてないけれど、言いたいことは分かって、なんだか楽しい」といった口述を心がければいい。それで6割の点はもらえる。それで合格圏内のトップ70%なら入れる、と。
 
 当日の実際の問題についても記しておこう。日本語で読み上げられたのは富士登山についてのもので、「近年観光客に人気だが、決められたルートを行く必要があり、勝手に草花を摘んだりしてはいけない」といった内容。メモ取りの練習をした例題の数々よりも実際は文章が長くて、メモし切るのに手間取り、またパッと出て来ない英単語もあったが、なんとかだいたいは英訳できたと思う。
 
 3つから選ぶプレゼンテーションのテーマは、「川柳」を選んだ。他の2つの候補は覚えていない。3つの中では川柳が、最も「現代の普通の暮らし」に引き寄せて話すことが可能だと、方針通り迷うことなくこれを選んだ。
 
 俳句と同じ5・7・5で、しかし季語がないこと。そのため、俳句より一般人の間でポピュラーで、例えばサラリーマン川柳のようなものがあり、お茶のペットボトルにまで一般人の川柳が記されている(実際には、“おーいお茶”の新俳句)ことなどを、暗記した英語ではなく、その場で組み立てた英語で話した。
 
 サラリーマン川柳のところで、「サラリーマンの悲哀が読み込まれている」ものだと言いたくていい表現が思い浮かばず、Japanese Businessmen’s Sadnessについて詠まれた川柳だ、と話したら、ネイティブの試験官が面白がってくれて、そのJapanese Businessmen’s Sadnessについてもう少し説明してくれ、と言うので、「業務上必要のない残業」などについて話した。
 
 他に外国人に紹介したいジャパニーズ・カルチャーはないか?と質問されて、これまた頭に浮かんだのは、ジャパニーズ・ポップ・ミュージックだったので、アニメの主題歌になって、例えば南米でもひじょうに人気があるという話をした(自分の得意分野へ!)。ネイティブの試験官が、もう少しトラディショナルなものでは何かないか?と訊くので、雅楽のことや、歌舞伎に行った時のことを話していたら、時間になった。
 
 「完璧を目指」せば、もっと伝統的なカルチャーを取り上げ、もっと詳細に適切な英単語で説明するのが良かっただろう。でも、それは、仕事でやる時までに努力する。少なくても、僕が持っている能力・経験・時間では、この方法がベストだったと思う。
 
 この話には実は、通訳案内士試験に限らない、普遍的なポイントがある。それは、「書籍や予備校などの多くの専門家は、その事柄を第一に考えた“100%主義”の教え方をする。しかし人間にはそれぞれの事情があるので、“100%主義”の教えを鵜呑みにするのではなく、自分用にカスタマイズして、“目的達成のための作戦”を見出し、信じて遂行する」ことだ。
 
 さてさて、皆さま、少しはご参考になったでしょうか。
 
或る大学教授の合格体験記。時間をかけずに 「通訳案内士試験」に合格したい人へ!
 

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